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星光学園物語 -性行為認知校の実情-

第1章 憧れと無知の堕落

 両親は反対しなかった。


「亜紀子が三年間ちゃんと通えると思う高校ならそれでいい」
「お母さんも賛成よ。亜紀子が決めた事だもの」


それどころか普段自己主張をあまりしない私が自分で高校を決めた事を喜んでくれた。


 進路の先生は少し渋った。


「本当にいいのか?」
「はい。私、星光学園に行きたいです」
「……中村の学力なら今のまま頑張れば入れるとは思うが」
「何か問題でも?」
「いや、そうじゃないんだ。とりあえず頑張りなさい」


 それでも最後には応援してくれると言った。


 それなのに美月だけは最後まで反対した。


「絶対に亜紀子じゃ無理だよ」
「だから何でなの?」
「三年間通えない」
「どうしてそんな事言うの?私、美月より勉強出来るよ?」
「そういう問題じゃなくて……」
「じゃあどういう問題なの?」
「…………」


 美月は何度も私を説得に来たけどいつも最後は歯切れが悪かった。


 結局美月は自分も同じ高校に通うと言いだした。美月が心配性なのは分かるけどどうしてそこまでするのか分からなかった。


それを私が理解したのは、入学してすぐの事だった。

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