恋密度〜官能・従兄妹編
第2章 蒼い果実
そう言ってお兄ちゃんは少し顔を歪めた──
「…でも、無理な話しなんだよな……今日、真美に会うのが一番怖かったんだ…。嫌われてたらどうしようって──自分が何されたか解ったら絶対に俺を嫌うって思ってさ…ごめんな」
お兄ちゃんはそういいながらアタシの頭を撫でた。
“ごめんな”……あの日もお兄ちゃんはこの言葉を沢山言った。
「真美は、彼氏は出来たのか?」
ゆっくり首を横に振るアタシにお兄ちゃんは微笑む。
「お兄ちゃんは?」
アタシはこの時、始めて言葉を交した……
「うん、いるよ…同じ大学のサークルで知り合ってさ」
アタシはこの言葉に胸がズキン‥と痛んだ──
「そう、なんだ…いいな…真美も彼氏欲しい…ヘヘ」
なんとなく足をブラブラしながら泣きそうな顔を軽い笑いで誤魔化したアタシはこの時気づかなかったんだ──
アタシを見つめるお兄ちゃんの瞳が熱を持ち揺らいだなんて…
アタシは気づかなかった……
「お兄ちゃんはいつまでいるの?」
アタシは話題を変えた。
「久しぶりに来たから一週間はいるよ」
「そう、じゃあちょっとはゆっくり出来るね!明日勉強でも教えてっ!!」
笑顔で返すアタシにお兄ちゃんは一瞬の戸惑いを見せた気がした…