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恋密度〜官能・従兄妹編

第2章 蒼い果実

昼前の居間に蝉の声が届いていた。

「真美、違うよ。ココは間違ってる」

次の日から約束通りお兄ちゃんは勉強を教えてくれた。

「あ、ごめんちょっと待って…」


さっきからひっきりなしに鳴り出すお兄ちゃんの携帯。その度に勉強は中断されていた。

相手はたぶん彼女…

だと思うけど、嫌でも電話内容が聞こえてくる…。


なんだか揉めてる感じだった。

ケンカでもしてるのかな?それで一週間もこっちにいるとか?


アタシは中断させられたペンシルを止め電話の声に聞耳をたてる。


「……わかった。…帰ってから話すからっ──」

突き放したような口調を最後にお兄ちゃんは電話を切っていた。

お兄ちゃんは苦笑いを向ける。

「ごめんな、度々中断させて…」


「いいよ…。彼女サンとケンカ?」


「ん…ちょっとね…。さっきの問題は解けた?」


お兄ちゃんは答えをはぐらかした。


まぁ、アタシに話たってしょうがないしな…

そんな事を考えていたら居間からお母さんの声がした。

「真美ー!的場クンが来てるよー」

「…?…的場?わかった。今行く」

的場クンは隣のクラスの男子。美化委員会の時に仲良くなった男の子だった。
アタシは玄関に行き的場クンに話かけた。

「何?」


「……あ、いや…今日の祭り、一緒にどうかなって思って…」


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