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12cm~越えられない距離~

第11章 魅きつける力

「はい、二人で食べな」

そう言っておっちゃんが手渡してくれたのは…

「!?」

ハートが散りばめられた小袋に、ハート型のコロッケがいくつか入っているもので。

袋には丸ゴシック体で『ラブコロ』と印刷が入っている。

こんなファンシーな代物だとは…。

「うちの新商品。りょーくんが商品名考えてくれたんだよ!?」

「おっちゃん!!」

「へぇ…」

袋と俺を見て、アキがくすっと笑う。

何だよ、その笑い方は。

「おかげで売り上げ上々で感謝感激だよ」

「よかったな」

ちょっとつっけんどんに話す俺に

「何だよぉ。もっと喜んでくれよ~」

いや、そのテンションの高さについていけないし。

「今度、第二弾を開発してるから。また名前考えてくれよ」

「はぁ!?冗談…」

「おっ!!仕事しごと~!」

店に客が入っていくのを見て、おっちゃんは大急ぎで帰っていった。

「何なんだよ」

はぁ、とため息をつくと、アキはくすくす笑っていた。

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