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12cm~越えられない距離~

第11章 魅きつける力

おっちゃんのお陰なのか何なのか分からないけど、アキの機嫌が良くなって。

アキを送る途中、三井寺公園の前を通った。

「ちょっと寄ってかない?」

公園を指差して言う俺に、アキがえ?と聞き返した。

「せっかくだから、コロッケ食べよう。飲み物奢るから」

「ありがとう…」



自動販売機の側のベンチにアキが座り、俺はその横に立ってコロッケを食べる。

「美味しいね。少し甘めで」

「小学校の給食のコロッケみたいだ」

「あ、分かる!」

笑いながら一口大の大きさのコロッケを食べる。

「商店街の人って、皆楽しそうだね」

「楽しそうって言うか、おかしな人ばっかりだろ?」

「そんなことないけど…」

そう言いながらも思い出し笑いしてるじゃないか。

「それ…名付け親なんだ」

ラブコロを指差して言うから

「おっちゃんの挙げたのがひどかったから、妥協案で言っただけ」

「でも案外そういうのがヒット商品になったりするらしいよ?」

ヒット商品、ねぇ…。

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