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12cm~越えられない距離~

第12章 嫉妬

放課後。

「アキー、迎えに来たよーん」

真央がアキを呼びにクラスまで来た。

「お、今から部活か?」

「うん。県大会近いしね」

アキを見ると笑みを浮かべていて、ちょっと安心した。

部活、行く気になったんだな。

「繚平くんは?」

「美術部は今日は休み。先生が休暇中」

「そっか~」

「真央、お待たせ。行こうか」

二人で話をしている間に、アキが帰り支度を済ませて声をかけてきた。

「うん。じゃあ繚平くん、もう帰るの?」

「そうだな…家で手伝いでもするかな」

「途中まで一緒に行く?」

「あ…いいけど…?」

思わずアキを見ると、

「別にいいけど…?」

「何?二人とも何かヘン!!」

真央に突っ込まれた。

「そんな事ないぞ。…はいはい、行こうぜ」

俺は鞄を手にすると、真央の肩に手をかけて教室から出た。

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