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12cm~越えられない距離~

第12章 嫉妬

「ちょっと、繚平くん!?」

俺に後ろから押される形で廊下を歩かされてる真央が声をあげる。

「はいはい。前向いて歩かないと危ないぞ」

「あ」

真央が小さく声をあげて足を止めるから

「え!?うわ」

勢い余って、真央にぶつかってしまう。

「きゃ…っ!!」

「危ない!!」

俺に押されて前につんのめった真央を、後ろから抱き止める。

何とか耐えれて、転ばずにすんでホッとした。

「大丈夫!?」

アキが後ろから声をかけてきた。

「大丈夫。…真央?離してもいいか?」

「あ…」

心ここにあらずな真央が気になって、顔を覗き込もうとすると

「繚!?」

どこからか、ノブちゃんの声がした。

「ん?」

声のした方を見れば、ノブちゃんが女の子と一緒にいて、焦ったように俺を見ていて…

「繚、私が支えるから。手、離しても大丈夫だよ」

アキが俺の肩を叩き、真央の手を取った。

「あ…悪い」

手を離すと、アキに支えられて真央も立ち直した。

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