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12cm~越えられない距離~

第12章 嫉妬

ノブちゃんがバタバタと足音をたてて近付くと

「真央ちゃん、どうかした?」

と、真央に声をかけた。

「別にィ~。大丈夫だよ」

にっこり笑って返すと、

「さっ、じゃあ部活行こうか!!アキ、行こっ」

「え?あ、うん。…じゃあ」

真央の態度に戸惑いつつ、アキは俺たちに手をあげて挨拶して、真央と歩いていった。

「じゃあなー!!頑張れー!!」

ノブちゃんが手を振って言うけど、振り返りはしなかった。

「繚はいいよなー。幼馴染みの役得って奴?」

「は!?」

「真央ちゃん、抱き締めてただろ」

こいつ…何を言い出しやがる!?

「倒れそうだったから支えただけだ」

「それでもいいよなー。俺がやったら多分セクハラで訴えられる気がする」

「『恋頼みの神様』でも?」

俺の言った一言に、ノブちゃんはムッとして

「止めろよ~!!それのせいで変な噂しかたたないんだから」

あ、やっぱりそのあだ名は不本意なんだ。

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