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12cm~越えられない距離~

第14章 傷ついたのは…

「そうだなぁ。進学でも、なりたい職業のある奴の方が、目指してる資格が最短で取れるような学部選んだりするから。皆考えてんじゃないの?」

「そうだよな…」

俺の場合、美大とかに行って彫刻きわめたとして…その先、どうしたいんだろう。

彫刻家としてデビュー?

そんなもん、一握りの人間しかなれないのは分かってる。

じゃあ…?

「繚は今年も家の手伝いか?」

「バイト雇う余裕ない分、息子をこきつかうんだと」

どうせ美術部も二回くらいしか活動しないし。

店にいた方が冷房効いてて楽だしな。

「じゃあさ、花火、見に行けるか!?」

毎年8月の第1土曜日に、市主催の花火大会が あるんだけど…その事か?

「ん。大丈夫だけど?」

「じゃあさ、アキ達誘って行こうぜ」

アキ達…達って誰のことだよ。

相変わらずのノブちゃんに、笑いを洩らした。

「何で笑うんだよ」

「ごめん」

クックッと笑っていると、アキが席に戻ってきた。

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