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12cm~越えられない距離~

第14章 傷ついたのは…

「アキ、ごめん。席借りてた」

「あ、いいよ」

ノブちゃんが立ち上がって席を空ける。

「今、もうすぐ夏休みだなって話してたんだ」

「あ、そうだね」

「アキ、夏休みって予定ある?」

「ん~、部活?」

首を傾げて、クスッと笑うと

「でも県大会終わったから。練習試合行くとき以外はいつも通り」

「そっか」

ウンウンと頷くと、ノブちゃんが俺を見た。

そこまで話しておいて、そこから俺に話を振るか!?

ふう、と息をつくと、アキに声をかけた。

「花火、見に行かないか?」

「え!?」

驚いた顔で凍りついてる。

ん?あ、もしかして。

「もう誰かと行く予定してた?」

「う、ううん。してない」

「なら行こうぜ。真央も誘ってさ、四人で」

俺が言うと、何度か瞬きをして、ノブちゃんを見て呟いた。

「あ…そういう事?」

「へ!?」

ノブちゃんがすっとんきょうな声をあげた。

え!?アキ、ノブちゃんの企みに気付いたのか?

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