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12cm~越えられない距離~

第15章 夏休みの始まり

《真央side》

おばちゃんとイヤリングを見ながら、さりげなく後ろを向くと…

アキ、頑張って話してるじゃん!

思わず頬が緩む。

すると、おばちゃんが探ってきた。

「あの子達、やっぱりそういう関係なの?」

「ううん。まだだよ」

「あらそう。『まだ』なの」

おばちゃんの、こういう感性好きだわ。

全部言わなくても、言いたいこと解ってくれるとこ。

…やっぱり、おばちゃんに頼ろうかな。

「ね、おばちゃん。繚平くん、席外させること出来る?」

「ん?何で?」

「内緒で買いたいものがあるんだ」

「なるほど。了解」

いやにあっさりとOKすると、携帯電話を操作して

「もしもし、あたしよ。今から繚平そっちにやるから何かさせて。…30分くらい足止めしといてよ。…そう、内緒でね。よろしく」

そして通話を切ると、繚平くんの近くへ行き

「繚平、肉屋が頼みたい事があるから来てくれって」

「え!?」

顔をしかめた繚平くんに追い討ちをかける。

「今ちょっと行ってきてよ」

そして、あたしに笑いかけた。

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