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12cm~越えられない距離~

第15章 夏休みの始まり

《真央side》

「アンタはアップにするんでしょ。じゃあ浴衣に合うかんざしね」

おばちゃんはいくつかの品物をピックアップしてくれて、その中から浴衣の色に合うものを選んだ。

「うわ~!!おばちゃん素敵!!」

あたしもアキも笑顔を浮かべて、お互いが選んだものを見比べていると

「じゃあ房飾りはプレゼントね」

とおばちゃんが言った。

「え!?いいの!?」

聞き返すと、おばちゃんはニヤリと笑みを浮かべ

「その代わり、条件があります」

え…?何?

思わずアキと顔を見合わせる。

「ここで浴衣に着替えて花火見に行くこと!!」

え!?ここで!?

驚いたあたし達に、おばちゃんはうふふと含み笑いをした。

「そうすればうちのくそ坊主たちの驚いた顔みえるでしょ!?あー楽しみだわ~」

「おばちゃん、昔からそういう人だよね」

いい大人なのに、イタズラとかドッキリ仕掛けたりが大好きで、面白い人だなって思ってた。

今でもそうなんだ…。繚平くん、大変だな。

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