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12cm~越えられない距離~

第16章 須方のお祖母ちゃん家

「ただいまー」

玄関で一期の声がした。

ばあちゃんが出迎えると

「ばあちゃん、元気そうでなにより」

「そっちもな」

そして、一期の後ろにいる女の人に声をかけた。

「よぉ来んさった」

「初めまして。河野真由美です」

緊張しているのか、ギクシャクとしたお辞儀をしてる。

思わず笑ってしまうと、一期が俺を見た。

「あ?お前、繚平か!?何でいるんだよ!?」

「ばあちゃんちに遊びに来たら悪いかよ!?」

「いや、いいんだけどさ…よく来たな」

それ、お前が言う言葉じゃないだろ。

「一期が来た方だろ?言い方おかしくないか?」

くっくっと笑いながら言うと、ムッとした様で

「お前なぁ。年上を呼び捨てにすんじゃねぇよ」

「んじゃ、昔みたいに『いちごにいちゃーん♪』って呼ぼうか?」

可愛らしく言ったのに、うえっ!!と返された。

その反応はないだろ!?

…ま、俺もそんな呼び方嫌だけど。

「やっぱ『一期』な」

「…くそっ」

悔しそうな一期に、少しだけ同情する。

男で『いちご』は無いよなぁ…。

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