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12cm~越えられない距離~

第16章 須方のお祖母ちゃん家

あ、何か、こういう雰囲気いいな。

一期もすげぇ優しい表情してんじゃん。

「もうじき終わるやろ。休んどれよ」

ばあちゃんが麦茶と菓子盆を持ってきた。

「すみません。ありがとうございます」

「ありがとう、ばあちゃん」

ばあちゃんは、二人が麦茶に口をつけると立ち上がり

「ちぃと様子見てくるわ」

と部屋を出ていった。

3人で部屋に残されてしまい、何話そうと考えて

「あ、一期、結婚するんだって!?」

ハハオヤが言ってた話題を振ってみる。

すると、一期が一瞬険しい顔になり、大きくため息をついた。

「お前な~。その話すんなよ」

「は?結婚しないの!?」

「するさ!!」

怒鳴るように言い、慌てて真由美さんを見て、力が抜けたように肩を落とすと

「するけど!!…こういうのは、一応段取りとか順番とかがあってだな」

「紹介する為に連れてきたんだろ?」

「そうだよ!!」

「それなら、俺、中谷繚平。高校二年生。一期のお父さんと俺のハハオヤが兄妹って関係のいとこです。よろしく」

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