テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第18章 冗談じゃなくても~真央side

「何で分かるの!?」

驚いたあたしに、ノブちゃんは

「目線の動きで判断したんだけど…真央ちゃんって分かりやすい」

とクスクス笑いながら言った。

え。そんなに!?

「じゃあ、買ってくるっ!!」

ノブちゃんにそう言って、屋台に向かって走り出した。

何か…何か、もうっ!!

ずるいっ!!

あたしの事分かってる、みたいな言い方。

あんな風に言われたら…。

あたしの事、理解しようとしてくれてるの?

もしかして、多少は、好き…だったりする?

…なんて、自分に都合いいように、誤解しそうになるじゃん!!

たこ焼きの屋台まで来て、一皿頼んで。

出来上がるまでぼうっと待ってると…

「はい、お嬢ちゃん」

渡されたたこ焼きは、青のりと鰹節がたっぷりかかったソース味。

しまった。青のり無しでっていい忘れた!!

「あのっ」

「おっちゃん、たこ焼き一皿、青のり抜きで」

後ろからの注文の声に、心臓がドキッと音をたてた。

振り向くと、あ、やっぱり。

「ノブちゃん…?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ