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12cm~越えられない距離~

第18章 冗談じゃなくても~真央side

「グロスって口紅より、そういうの取りにくいんだろ?だからそうかなって」

にこっと笑うノブちゃんに、笑い返して

「さすが。よく分かってる!」

おどけて言ってみるけど。

それって、女の子の意見…だよね?

考えすぎかもしれないけど。

やっぱり女の子と仲いいから、そういう所に気付くだけで…

あたしの動向で分かった訳じゃないんじゃないの!?

何だかちょっと悔しい。

さっき、ときめいてしまった自分が可哀想じゃん!!

すると

「ノブちゃん先輩!!」

前から歩いてきた女の子が、ノブちゃんに手を振った。

黄色とオレンジ色を基調とした市松模様の浴衣を着てる。

先輩、ってことは一年生?

「お!茗ちゃん」

ノブちゃんは楽しそうにその子に近づくと

「浴衣着てきたんだ。すごい映える」

「えへへ。どうですか?」

「茗ちゃんに似合うよ。元気もらえそう」

「やった!!」

彼女は嬉しそうに微笑んだ。

…なぁんだ。

ノブちゃん、誰でも誉めるんだ。

自分でも嫌ぁな気持ちになってしまう。

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