テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第18章 冗談じゃなくても~真央side

茗ちゃんがあたしを見て、

「もしかして…ノブちゃん先輩の彼女さん?」

え!?

そんな風に見えるの!?

すると、ノブちゃんは慌てて否定した。

「違う違う。友達」

…そんな慌てなくてもいいじゃん!!

「そうなんだ…」

茗ちゃんは小さく呟くと、にこっと笑って

「じゃあ」

「おう、楽しんでいけよ」

そんな挨拶をして立ち去っていった。

「あの子、部活の後輩なんだ」

「へぇ。可愛い子だね」

「うん。すごい素直だし、一生懸命だよ」

…別にいいんだけど。

さっきからベタ褒めじゃない!?

「真央ちゃん、どうかした?」

「ううん」

何で気付かないの!?バカみたい。

顔では笑顔を浮かべつつ、心の中ではイライラしっぱなしだった。

「あっ!!あたし、何か飲み物買ってくる!!」

「俺も欲しいから買ってきてあげるよ。何がいい?」

「あ…じゃあ、ウーロン茶」

「オッケー。ここで待ってて」

ノブちゃんは、来た道を引き返した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ