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12cm~越えられない距離~

第18章 冗談じゃなくても~真央side

ノブちゃんから少し離れたくてつい言ったのに、買いに走ってくれて…。

優しい、よね。優しい、んだけど…。

やだなぁ。こんな気持ち。

ふうっとため息をつくと、前に男の人が二人現れた。

「ねぇ、君、一人?」

うわ。声かけてきた!!

「浴衣姿、めっちゃ可愛いね」

「俺らと一緒に回らない?」

「友達待ってるんで」

すぐに立ち去るように、なるべく冷たい言い方をしたのに

「友達?じゃあ友達も一緒に回ろうよ」

「え!?いやです!!」

「冷たいな~」

「でも俺、そういうの超タイプ」

もう!!この人達何なの!?

睨み付けようと、顔を上げる。

その時、あたしと二人組の間に分け入ってきた人が言った。

「ちょっと!!俺の彼女に何の用です!?」

え…?

「なんだ、男連れかよ」

二人組はチェッと言いながら立ち去った。

「真央ちゃん大丈夫!?」

「うん、平気…」

そう言いながらも、振り向いた顔を見れなくて、下を向いた。

どうしよう。嬉しい!!

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