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12cm~越えられない距離~

第19章 俺の、だ

それから…

「遅いなぁ」

「ん、混んでて時間かかってるのかな?」

真央を追いかけて、ノブちゃんが行ったきり、二人が戻ってこない。

「連絡してみる?」

携帯に電話してみようとすると、アキが難しい顔をして止めた。

「ん…。待ってれば来ると思うんだけど…」

「じゃあさ、先食べちゃう?俺、腹へった」

「さっきも言ってたね」

真央が金魚すくいだ何だ言ってた時の事だな。

ビニール袋からお好み焼きを出すと、割り箸を割った。

「いただきます!!」

箸で一口大に割ると、ぱくりと頬張る。

「旨い!!」

「美味しそうに食べるねぇ」

「アキも食べれば?」

「うーん、真央が来るまで待ってる」

女の子同士で食べたいのかな?

俺にはよく分からない気持ちだけど…。

「一口食べる?」

お好み焼きを箸で摘まんで、アキに差し出した。

「え!?いいよ!」

「旨いよ。喰えって」

「あ…だって…」

「定番もいいって理解してもらわないとな。ほら」

アキは周りを見回して、少し困った顔をした。

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