テキストサイズ

12cm~越えられない距離~

第19章 俺の、だ

「ほら、口開けろって」

「…もうっ!!」

怒ったような口調で、それでも口を開けるアキに、何故か笑みがこぼれる。

「はい」

差し出したお好み焼きを頬張り、アキは微妙な顔つきになった。

「旨いだろ?」

「そりゃあ美味しいけど…普通に美味しい」

「辛口だなぁ」

笑いながら、俺も食べようとすると

「あ!!」

アキが急に叫んだ。

「うわ!!何だよ!?」

「あ…うん、いいよ。いいんだけどさ…」

急にソワソワしだして…どうかしたのか?

「トイレなら社務所にあるぞ?」

「違っ…!そうじゃないから!!」

じゃあ何なんだよ?

そっぽ向いてしまったものの、特に不機嫌そうには見えない。

よく分かんないなぁ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ