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12cm~越えられない距離~

第20章 花火よりも、もっと

河原に着いたら、結構な人の数で。

「うわ。すげぇな」

「真央たち、どこにいるかな?」

アキが周りを見渡して捜すけど、辺りも薄暗くなってきてて判別出来ない。

「電話して聞くか」

「そうだね」

携帯でノブちゃんを呼び出す。

「ノブちゃん?今どこ?……あー、分かった。その辺行ったらまた電話するな」

「どの辺?」

「巌本の看板の近くだって。とりあえずこっち行こうか」

看板のある方向へ歩き出す。

普段、あまり手入れなんかしないんだろうな。

雑草が繁って、足元が危なっかしい。

「石やら草やらで歩きにくいな」

「そうだね。…わわっ!!」

言った側から、アキが何かにつまずいたみたいで、俺の肩に掴まった。

房飾りがシャランと揺れる。

「アキ?」

顔を向けると、思いの外近い位置にアキの顔があって、慌てて顔を戻した。

「平気か?」

目線だけアキに向けると、アキも急いで手を放して

「うん、大丈夫!ごめんね!!ありがとう!!」

早口で言葉を重ねた。


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