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12cm~越えられない距離~

第20章 花火よりも、もっと

「いや…女の子だなって」

「こんなでも、一応女だからね」

「そうなんだけどさ」

何か、春に初めて会った時と比べると、アキの印象ってだいぶ変わったよな。

あの時は、感情をあんまり外に出さない、クールな人だと思ってた。

だけど、全然そんな事なくて。

「そういうの、可愛いと思う」

「え…!?」

アキが驚いたように目を見開いた。

何か言いたそうに、口を開きかけて…きゅっと閉じる。

「アキ…?」

声をかけた直後。

「お待たせしました!!これより花火大会を始めまーす!!まずは市長よりご挨拶です!!」

大音響でアナウンスが流れ、市長が何やら話し出した。

「うわ!!花火始まった!!」

「へ?」

「ノブちゃんに電話してみるな」

辺りを見回しながら電話をかけると、レジャーシートに座っていた人が立ち上がり、キョロキョロしていた。

もしかして、あれか?

「もしもし。ノブちゃん、大きく手を振ってみて」

俺の合図に、その人も片手をあげて振りだした。

「見つけた。そっち行くから」

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