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12cm~越えられない距離~

第20章 花火よりも、もっと

通話を切って、アキに笑い掛ける。

「見てた?あそこに居るみたいだから行こうぜ」

「う…うん」

そう返事をしながら、アキはぎこちない笑顔を浮かべた。

「早く行こう」

さっきより少し早足で、ノブちゃん達がいる場所へ向かう。

「ごめん、待たせた!!」

俺たちの姿を見て、真央が頬を膨らませる。

「おそーい!!」

「でも間に合ってよかった!!花火始まったら分かんなかったかもしれないし」

ノブちゃんがホッとしたように場を取り成した。

「待たせたお詫び。ふりふりポテトと唐揚げ」

アキが持っていた袋を見せると、真央の機嫌が簡単に直った。

「やったぁ!!ありがとう!!」

本気で怒ってた訳じゃないだろうけど…単純なヤツ。

「レジャーシートなんて用意いいなぁ」

俺が聞くと、ノブちゃんが

「へへっ。念のために持ってきたのが役立った」

やっぱり。そうだろうとは思ったけど。

あらかじめ場所取りするつもりなんてなかったのに。

それだけ楽しみにしてたって事か?

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