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12cm~越えられない距離~

第20章 花火よりも、もっと

レジャーシートの上に座ると、ノブちゃんがタッパーを差し出した。

「あ、これ、食べる?バイト先でもらった鮎菓子」

「中の求肥、ノブちゃんが手伝ったんだって。美味しかったよ!!」

真央の賛辞に照れ笑いを浮かべて

「練るの手伝っただけだから」

でも、着実に皿洗いから昇格してる気がする。

「すげぇじゃん。さすが」

1つもらい、アキにタッパーを渡す。

「ありがとう」

すると、場内放送が開始までのカウントダウンを告げた。

「10…9…8…」

「あ、街灯が消えてく」

「始まるな。ごー、よん」

皆で声を合わせてカウントダウンをする。

「3…2…1…」

シュポッ…と点火する音が聞こえた。

ひゅうぅぅぅ~と、花火の上がる甲高い音の直後、いくつもの色とりどりな花が夜空で咲き誇った。

「綺麗ー!!」

あちこちからも悲鳴にも似た歓声が上がる。

「うわ…」

河原でみる花火の迫力に圧倒される。

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