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12cm~越えられない距離~

第21章 優しい人~晶side

「ほら、口開けて」

繚が包み紙を取って、子供の口の中に一粒飴を入れる。

「何の味だ?」

「ブドウ…?」

「正解。メロンはご褒美な」

メロンの飴を子供の手に握らせる。

「やったぁ!!」

にこにこ笑って喜ぶ子供に、ノブちゃんと繚が目を見合わせて微笑んだ。

二人ともすごいな。

何か、小さい子の扱いに慣れてるみたい。

ノブちゃんが、子供の頭を撫でながら

「名前、教えてくれる?」

「みやしたそら」

「そらくん、花火、見た?」

「うん!!ものすっごくきれいなの。キラッキラ」

手をくるくる回して感想を言うそらくんに顔が綻んだ。

「綺麗だったね。花火は誰と見たの?」

「んとね、パパと、ママ」

「そっか。3人で見たんだ」

「うん!!」

元気いっぱいに頷くそらくん。

「だったらこの辺で探してるかも…」

「だな」

ノブちゃんがうん、と頷くと、

「そらくん、乗って」

膝をついて体を低くした。

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