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12cm~越えられない距離~

第22章 自信、無くなるよ…

「何だよ。写させろって話か?」

「そうじゃなくて、余裕あるかって話」

は?

「花火の時の、そらくんのお父さん。バイト先の業者でさ、お礼にって券くれて」

「券!?」

「映画の。行けるか?」

えーっと…それって…

「また四人で?」

「まぁ…そういう事」

ノブちゃんの言葉にため息をついた。

「あのさ、もうそろそろ二人で行ってこいよ。アイツだけ誘えって」

「…二人は嫌だって言われたんだよ」

へ…?

「真央に?」

「そう。四人でなら行ってもいいって」

そっか…。

「俺さ、自信過剰かもしれないけど、嫌われてはないと思うんだ」

「うん、そうだろうと思う」

「でも、二人は嫌だってのは結構ヘコむ。自信無くなるよ…」

元気のないノブちゃんの声に、少しだけ可哀想な気がおこる。

真央、好きなやついるみたいだぞ。

ノブちゃんに言った方がいいんだろうか?

けどなぁ…相手が誰だか知らないし。

こういうのは本人が直接聞いた方がいい気もするしなぁ…。

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