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12cm~越えられない距離~

第22章 自信、無くなるよ…

「まさか、それで来ないの?」

「いや、用があるのは本当。気にして来ない訳じゃないから勘違いするなよ?」

「うん…」

沈んだ顔で頷いた。

「で、一応チケットは預かって来てるんだけど、どうする?」

「別の日に四人で行った方がよくない?」

「ん~、ノブちゃんが夏休みいっぱい忙しいんだよな。一応、期限あるみたいだし」

「そっか…。真央、どうする?」

真央は俺達の会話に入らず、明らかに別の事を考えてるみたいで。

そんな真央に首をひねっていると、アキが小声で聞いてきた。

「繚、ノブちゃんって、どっか出掛けてるの?」

「いや、家にいるはずだけど」

「用って何か聞いてる?」

「チビ助のお守り」

ん?と問いかける顔に、俺もあぁ、と気付く。

「ノブちゃん、妹がいるんだ。5歳の」

「あ…だから子供の扱い上手いんだ」

「そ。で、今日は保育園休みで、おじさんもおばさんも仕事で、面倒見なきゃならなくなったって」

「あぁ…だったら仕方ないかも」

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