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12cm~越えられない距離~

第24章 俺の希望

「はあ…相変わらずだな。くそ真面目」

沢尻のぼやきに苦笑いを浮かべる。

アキも言ってたな。

『真面目な人だけどな』

近藤を表す言葉として、良くも悪くも『真面目』って言うのな。

「理解しろって…あいつにもう少し俺を理解して欲しいけどな」

「ははっ。無茶言うなよ~」

沢尻が笑った。

「無茶かよ!?」

『それは繚が無茶するからじゃないの?』

アキの言葉を思い出す。

すると、沢尻が怪訝な顔をして

「何?繚平って、マゾなん?」

「はぁ!?」

「ニヤニヤ笑ってんぞ」

指摘に、口元を手で押さえた。

「今の流れで笑うのって、M気質だろ」

「ちっ、ちげぇよ!!」

多分、笑ってた理由は…。

「思いだし笑いだよ!!」

「今の流れで?何を思い出すんだよ!?」

「俺が何を思いだしても、いいだろうが!?」

「別にいいけどな」

沢尻はニヤリと笑うと

「お前が誰を想ってニヤけてても」

…何で分かるんだよ!?

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