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12cm~越えられない距離~

第26章 そんなんじゃないから

「…マジで!?」

「マジです!!」

間髪入れず返してくる。

こんな事言われたのは初めてで。

正直、嬉しいよりも、戸惑ってしまった。

「中谷先輩が作る雑貨って、見ていて和むって言うか、何か…温かい気持ちになれるんです」

そんな俺に気付かず、皆美ちゃんは言葉を重ねていく。

「そんな作品を作れる人なら、その人自体も優しくて温かい人なんだろうなって」

そんな風にまともに褒められると、何ともくすぐったい。

「いや、そんな事はないから」

「だから、私、中谷先輩なら受け入れてもらえるって思ったんです」

真剣な瞳でじっと見つめられて。

つられて俺も背筋を伸ばした。

「中谷先輩!」

「はいっ」

「どうか私に付き合って下さい!!」

皆美ちゃんは再び頭を下げた。

…へ!?

「私…に?」

『と』じゃなくて、『に』?

「はい!!」

皆美ちゃんは頭を上げると、にっこり笑って返事をした。

「私に木工アクセサリーの作り方をご伝授下さい!!」

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