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12cm~越えられない距離~

第27章 手芸部

「勝負って…もしかして、文化祭で?」

ノブちゃんの問いに、皆美ちゃんは頭を上げた。

「すごい!!榊原先輩、よく分かりましたね」

「まぁ…大体そうだろうな、と」

そうか。

ノブちゃんも、文化祭にはすげぇ気合入れてるもんな。

同類で、分かり合えるのかも。

「文化祭で実績上げないと、来年の部費も減らされるし」

皆美ちゃんの言葉に、ノブちゃんがうんうんと頷いてる。

「何より…私がしっかりしないと。来年の、部の存続も危うくて…」

「そんなオーバーな」

俺の茶々に、皆美ちゃんは眉を吊り上げて

「中谷先輩!?そんな悠長な話じゃないんです!!3年の先輩が抜けた後は、私一人なんですから!!」

…は?

「うん。…やっぱりそうなんだ」

驚く俺の横で、ノブちゃんは唇をへの字に曲げて考えていた。

ノブちゃんは知ってたんだ。

そう言えば、手芸部の話をしていた時に、部員が少ないとか言ってたな。

だけどさ。

一人でどうしろって言うんだよ!?

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