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12cm~越えられない距離~

第28章 やめちゃえばいいのに

《真央side》

あ。また失敗してる。

さっきから、アキのシュート成功率が異常な位落ちてる。

ため息をついて、ボールを構えるんだけど…うーん…。

アキの肩を叩いて、

「ちょっと休憩しようか」

そう言って、体育館の外に出た。

水道の蛇口を捻って顔を洗うアキに、タオルを渡す。

「ありがと」

「ううん。…大丈夫?」

「うん。…平気」

どう見ても平気じゃないでしょ?

「アキの悪いクセだ」

「え?」

「ここに溜め込んでる」

そう言って、自分の左胸を指差すと、アキが力なく笑った。

「そう見える?」

「見える」

「そっか」

それからしばらくの間、無言で何か考え出した。

あたしも、アキが口を開くのを待って、何も言わないでいた。

「真央は…今、幸せ?」

唐突に聞かれた内容に、内心うろたえたけど

「うん…そうだね。どっちかって言えば」

正直に答えると

「そうだよね。うん。そうだろうと思った」

アキは一人で頷いている。

…何なの?

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