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12cm~越えられない距離~

第28章 やめちゃえばいいのに

《真央side》

「羨ましいとか…馬鹿みたいだって思うのに」

え?え?

「誰が?」

「あの子…繚に教えてもらいながら、ずっと一緒にいられるじゃん」

ボソボソと話し、タオルに顔を埋めたアキに、正直唖然とした。

……えぇっ!?

「席替えしたら、全然話することなくなって…本当、自分でもおかしいと思うけど」

「うん。本当にね」

あたしの知ってるアキは、自分の意見をちゃんと持ってて、人と自分を比較したりしない人だった筈だ。

なのに、目の前にいるのは。

「本当に、繚平くんが好きなんだね」

「そういうの、言わないでよ」

タオルから顔を上げて睨むけど…頬、赤いよ?

睨まれても、全然怖くないし。

「もう…こういうの、やだ」

はぁ、とため息をつくアキに、

「じゃあ、好きなのやめちゃえば?」

「…え?」

「部長としては、部活に支障があるなら止めますよ?」

アキは戸惑ったようにあたしを見ていて…

その様子に、込み上げてくる笑いをこらえきれず、吹き出した。

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