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12cm~越えられない距離~

第28章 やめちゃえばいいのに

《真央side》

「も…もう!真央ってば!!」

タオルを振り上げたアキに

「ごめんごめん!」

笑いながら謝った。

「だって…今の顔、意外すぎて」

「だからって…もう!」

投げられたタオルを受け止めると、アキも笑っている事に気付いた。

だったら、爆弾投下してみようか。

「ねぇ、アキ。告っちゃえば?」

「え」

「あたしはノブちゃんに言って、良かったって思ってるよ?」

「それは…そうなんだろうけど…」

困った顔のアキに、首を傾げて見せると

「アキ。言わないと伝わらない事ってあると思うよ?」

「…うん」

「行動を起こさなかったら、しないのと一緒だからね」

「…うん、分かるよ?」

「入るか分からない状況でも、シュート打つのがアキのやり方でしょ?」

アキが黙ってあたしを見つめている。

「悩むより、動こう!!」

「…分かった」

目を閉じて、はあっと息を吐くと、両手をぎゅっと握って気合いを入れた。

「真央、ありがと」

「よぉし。じゃ、頑張ろう!!」

アキの背中を押して、体育館に戻った。

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