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12cm~越えられない距離~

第29章 これって…デートなの?~晶side~

第1イベントホールの手前まで来て、ようやく中で何が行われてるのかが分かった。

絵画コンクールの展示会だ。

「これって…夏休みに描いてた…?」

「そ。手を切った原因」

それは違うと思うけど…。

「繚のも展示してあるの?」

「出品作品は、全部展示してあるはずだよ?」

「あ、そうなんだ」

何かしらの賞をとった絵だけ、飾ってあるのかと思ったのに。

「繚は何を描いたんだっけ?」

「ま、見てのお楽しみに」

「また内緒なの?」

笑みを浮かべながら、繚を軽く睨んだ。

「じゃあ、探すからね」

「どうぞどうぞ」

にやにや笑う繚と一緒に、イベントホールに入った。

一歩足を踏み込むと。

白いパネルで会場の中が仕切られていて、まるで迷路のようになっていた。

「じゃあ、順番に見ていく?」

順路を示す矢印の立て看板が、至るところに置いてあった。

「うん。そうだね」

繚と一緒に、矢印の指し示す通りに、会場を歩いていった。

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