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12cm~越えられない距離~

第29章 これって…デートなの?~晶side~

会場の中は、一般の部と小学生の部、中高生の部の3つに分かれていた。

順路に添って、小学生の部を見ていく。

原色の大胆な構図に、感想を言い合ったりして。

賞をとった作品には、横に札が貼ってあった。

「賞をとった作品だけまとめたりしないんだね」

私の疑問に

「多分、市の主催だからかな。そんな大したタイトルじゃないし」

少し冷めたような口調。

その言い方が、少しだけ気になった。

「でも、選ばれるってすごいと思うけどな」

「まぁな。人の記憶に残るような、魅力あるものが多いな」

そして小学生の部が終わり、中高生の部の展示に移った。

繚の絵はどれなんだろう?

絵を見るより、作者名を見ていると

「前田先生!?」

繚が驚いた声をあげた。

その声に驚くと、同じように驚いてこっちを見ている男の人がいた。

「あー、繚。久し振りだな」

よく見れば、見覚えがあった。

去年まで学校にいた、美術の先生だ。

「何で!?」

「新聞で見てな。実物見たくなったんだ」

そう言って前田先生は、後ろに掲示してある絵を指差した。

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