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12cm~越えられない距離~

第29章 これって…デートなの?~晶side~

目を見開いて繚を見ると、私の視線に気付いて

「あ、アキ、あのさ」

何かを言いかけた。

でも、その時

「ごめんなさい。もしかして、この絵の作者さん?」

急に後ろから声をかけられた。

振り向くと、一眼レフのカメラを首にかけた男の人が立っていた。

腕には『報道』の腕章を着けている。

「作者はこの子だけど…岐阜報道社の人?」

先生が繚を差して紹介する。

「はい、そうです。小柳と申します」

小柳さんは名刺を出して、先生と繚、そして私にも配り出した。

「今日は絵を見に来て。来週、学校に取材に伺うつもりでした」

「取材!?」

繚の声をどう受けたのか、小柳さんはにこにこ笑うと

「ここで会えたのも、何かの縁です。絵と一緒の写真を撮らせて下さい」

「は?」

「あと、インタビューも少しだけお願い出来れば」

「あ…あの…」

繚がちらっと前田先生を見た。

だけど前田先生はくっくっと笑って

「いい機会だからそうさせてもらいなさい」

「はぁ!?」

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