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12cm~越えられない距離~

第30章 12cmの距離

「テーマが希望だって聞いてたから…見たとき、ビックリした」

「意外だった?」

「意外と言うか…現実感たっぷりすぎて、見てて怖かった」

「怖い!?」

確かに色彩は暗いけど…。

「希望の光って、誰にでもつかめる訳じゃないんだ、とか…光が強い分、妬みとか妨害しようとかする人が出てくるんだなとか…」

ふぅっとため息をつくと

「前田先生が、深いって言ったの…納得」

「そっか。…色々感じ取ってくれて、ありがとう」

アキが急いで首を横に振った。

「ただ私がそう思っただけだから」

「いや。俺が伝えたかった事が伝わってたのが嬉しい」

「そう…?」

俺の反応に、ほっとしたような笑みを浮かべた。

「ほら、夏休みにアキに希望について聞いただろ?」

「うん」

「あれがあったからあの絵が描けたんだ。ありがとな、アキ」

笑いかけると、アキは眉尻を下げて笑った。

「そっか…良かったね」

そんなアキを見て、覚悟を決めた。

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