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12cm~越えられない距離~

第31章 そして…

その日の夜。

自分の部屋で、ビールを飲みながらテレビを見ていた。

地元のローカル局。

普段はこんな時間に見ないけど、今日は特別だ。

画面の中では、実業団バスケの県大会が行われている。

これで優勝すれば、都市対抗戦の県代表の資格が与えられるため、みんな真剣な表情をしている。

赤と白のユニフォームを着たチームと、黄色に紺のユニフォームを着たチームの試合。

俺が応援しているのは、赤色に白のユニフォーム。

なわがやサンライズというチームだ。

「よっし!!行けー!」

画面にアキが映る。

アキは、なわがやサンライズの、シューティングガードというポジションについている。

高校卒業して、アキはバスケの実業団のある銀行に就職した。

寮生活でバスケ三昧の日々の中、なかなか会えなかったりする。

テレビに映るアキも…姿見るの、何ヵ月ぶりだろう。

「頑張ってるよな…」

試合を見る度に、心からそう思う。

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