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12cm~越えられない距離~

第31章 そして…

「真央の結婚式の招待状、来た?」

「ん。こないだ会ったときに貰った」

「そっか。当然、行くよね?」

「そうだな。アキもだろ?」

「うん。行く」

その返事にホッとする。

じゃあ、その時に会えるな。

「ノブちゃんが、ウェディングケーキ焼くって張り切ってる」

「え?引き出物の?」

「それもだけど、会場に飾るやつも。ケーキカットした後、皆に食べてもらうって」

「え?大丈夫なの?」

「新郎なのにな」

俺が笑うと、アキもくすくす笑いだした。

ノブちゃんは散々迷った結果、パティシエになった。

今は地元のホテルのラウンジで、提供しているケーキをすべて手掛けている。

結構人気らしく、テレビで特集組まれたりして、なかなか忙しそうだ。

「楽しみだな」

「結婚式が?ケーキが?」

「両方」

そう言ってクスッと笑うと、

「あと、繚に会えるのも楽しみ」

すげ。

同じ事考えてたんだ。

嬉しくて、胸が苦しくなる。

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