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12cm~越えられない距離~

第4章 仕組まれたデート

次の日。

俺はノブちゃんに母親との会話を話した。

「…って事があって。だけどさ、誘う女子なんていないし」

「まぁ、それだけ息子が心配なのかもよ!?とーちゃんいつ帰ってくるんだっけ?」

「来月の…いつだろ?後半だったかな」

「それまでに彼女作っとけとか思ってんじゃないの!?」

ノブちゃんのからかうような声に、手を振って否定する。

「カップルで入場すると特典がいくつかあるんだとさ。それで女の子と行けって言うんだよ」

多分、親父が長期出張から帰ってきて日本に居たなら、あのチケットは夫婦で楽しむために使ったんだろうし。

「彼女作れとか思うのは勝手だけど大きなお世話だよ」

ふうっとため息をこぼす俺に、ノブちゃんは真面目な顔をした。

「繚、じゃあさ、俺にそのチケット譲ってくんない!?」

「え?別にいいけど…誰と行くん?」

「真央ちゃん、誘ってみようかと」

あ、成程。

「17日しか使えないからな。OKしてもらえるよう頑張れ!!」

「おぅ。繚、サンキュ」

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