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12cm~越えられない距離~

第4章 仕組まれたデート

「…で、何でこうなったんだ?」

17日。遊園地の入場ゲート前で。

俺とノブちゃんは待ち合わせをしていた。

「しょーがねぇじゃん。まさか同じ券を持ってるなんて思わねぇもん」



あの後、ノブちゃんは真央を誘った…んだけど。

「ごめん。あたしも同じのおじさんにもらったんだ」

おいおい。肉屋のおっちゃんも当たったのかよ。

それで友達と一緒に行く約束をしてしまったと断られたらしい。

だけどノブちゃんは諦めなかった。

女の子二人で行くなら、俺も繚誘って行くからカップル特典もらおう、と再度誘ったんだと。

「普通、そういう誘い方するかなぁ!?セコい奴って思われないかぁ」

「いいじゃんか!!一緒に行けたらそれで俺は満足なの!!」

全く。目的意識の低い奴め。

そんな訳で無理やり連れ出されたんだけど。

真央が誰を連れてくるか聞いてないので、とにかく真央を探して周りを見渡す。

せめてどんな服着てくるとか聞いてれば探しようがあるのになぁ…。

ため息ついて見渡すと…あ。

「根本さんだ」

「え?マジで!?…あ、いたいた。んじゃ、隣にいるの、真央ちゃんか?」

人混みで真央の姿が見えないけど、俺は根本さんのいるところまで向かった。

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