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12cm~越えられない距離~

第4章 仕組まれたデート

「さーてと。まずどこ行く?」

ノブちゃんが園内マップを広げて聞く。

「ドリンクもらいに行く?」

「まだ喉乾いてないし、後でもよくない?」

「じゃあ、あたしここ行きたい!!」

真央がマップの中の絶叫マシンを指差した。

この遊園地の目玉のうちの1つで、人気があるから乗るのに1時間待ちなんてザラなんだけど…

「いいよ。俺もこれ乗りたかったし」

ノブちゃんが賛同して、そっちに向かおうとすると

「ごめん。私、こっちに乗りたい」

根本さんが違うアトラクションを指差した。

「え…と。こっち乗ってからそっちでもいいかな?」

ノブちゃんが真央をチラッと見てから根本さんに聞くけど、

「でも今日混んでるし、待ち時間長そうだしなぁ」

あ、ちょっと機嫌悪そう。

「あ…じゃあ、アキの乗りたいの先に行こうよ」

真央が気を使ってかそんな提案するけど

「ん~、でも真央はそっちの方が楽しみなんでしょ?そっちも時間かかるよ?」

「それは…。でも仕方ない事だし」

「仕方ない?…どういう意味?」

「え?」

「仕方ないから私が乗りたいの先にしようって事?!」

「違っ…!!人が多いから待つのは仕方ないって話だよ!!」

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