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12cm~越えられない距離~

第4章 仕組まれたデート

突然始まった言い争いに、俺とノブちゃんはどうしたらいいか目配せして、彼女たちに聞こえないように話をした。

「ノブちゃん。別れるか」

「…その方が無難かな。じゃあ…どっち行く?」

「聞かなくても。決まってんだろ?」

「…繚、サンキュ。後で何かおごるから」

ノブちゃんの背中を平手で叩くと、俺達は二人に向き直った。

「お二人さん、もめてると時間なくなるぞ~!」

「じゃあ俺は、絶叫コースター乗りたいから真央ちゃんと行くな?」

ノブちゃんが真央の横に立ち、俺と根本さんに告げる。

「んじゃ俺は、絶叫系苦手だから根本さんと一緒に回ろ。根本さん、いいかな?」

俺の問いに、根本さんが頷いた。

ノブちゃんを見ると…おいおい、思いっきりニヤケてんぞ?!

「そうしたら、お互い目的のやつ乗り終わったら連絡しようぜ」

「合流はそん時のタイミングだな」

俺とノブちゃんで顔を見合わせて、小声で発破をかける。

「うまくやれよ~!」

「おう。頑張る」

普段のノブちゃんらしくない言葉に吹き出しそうになりながら、真央と根本さんを見ると、

「ワガママ言ってごめん…」

「大丈夫だよ!!全然気にしてないし!!」

あ、あっちも大丈夫そうだな。

「じゃあ、早く行こうぜ~!」

俺は根本さんと、ノブちゃん達とは逆方向に歩き出した。

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