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12cm~越えられない距離~

第5章 ナータマーヤ

ナータマーヤはオープンテラスで寛げるカフェだ。

俺たちは店の中に入り、

「俺、注文してくるから。根本さん、席で待っててよ」

「分かった。ありがとう」

根本さんがキープした席を確認しつつ、俺は注文カウンターに並ぶ。

こうして見ると、周りがカップルだらけだな。

カップルイベントやってんだから当然か。

「お待たせいたしました。ご注文をどうぞ」

俺の番になり、店員の女の人が声をかけてくれた。

「あ…、これ、お願いします」

受付で渡されたカードを見せると、

「はい。チケット利用の無料ドリンクですね。ありがとうございます」

そう言ってにっこり微笑むと、

「ではこちらにスタンプを押させていただきます」

と、持ってきたカードにスタンプを押した。

「次はゲームコーナーの一回無料券になります。どうぞ お楽しみください」

「ありがとうございます」

渡されたカードをしまい、飲み物が出てくるのを待った。

無料ドリンクって、一種類しかないんだ。…ま、無料だしな。もらえるだけラッキーって感じかもな。

そんな事を考えていると、店員がトレイに商品を乗せて現れた。

「お待たせしました」

受け取ろうとして…思わず、手が止まった。

……何だこれ……

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