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12cm~越えられない距離~

第5章 ナータマーヤ

「部活とかで回し飲みとかしょっちゅうだから別に気にならないけど…中谷くんが嫌なら…何か買ってくる?」

「あ…いや…根本さんがいいなら…」

ストローは2本あるんだから、直接口つけるわけでもないし。

別に、大したことじゃないだろ。

…って思うけど。

根本さんがストローをくわえて一口飲んで、目を丸くした。

「タピオカじゃない!!コーヒーゼリーだ」

「あ、そうなの!?」

「で、口の中でちゃんとカフェオレになるよ!!美味しい!!」

めちゃめちゃ笑顔でグラスを差し出してくれる…けど。

「ありがとう…」

グラスを受け取り、自分のストローを差して、ちょっと躊躇する。

根本さん、俺の事全く気にしてないんだよな。

俺だけが気にしてるってのが…何か…

「どうしたの?本当に美味しいから飲んでみて」

いつも通りの根本さんの対応に、何故かいらっとしながら覚悟を決めた。

もういい!!気にするの、やめた!!

…と、その時。

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