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12cm~越えられない距離~

第5章 ナータマーヤ

「あ、繚。いたいた!!…」

急にノブちゃんの声がして、キョロキョロと周りを見回す…と

「ごめん!!思ったより時間かかっちゃった」

真央がノブちゃんと一緒に店に入ってくるのが見えた。

助かった…。

内心ほっとしたものの、態度には出さずに

「お前ら遅い!!」

わざと怒ったように言って、二人をテーブルに呼び寄せた。

「悪い悪い。すっげー人気だった」

「でも並んだ価値あるよね~」

「めっちゃ楽しかった!!」

いまだに興奮してる二人に、俺と根本さんは顔を見合せると笑いを浮かべた。

「で?その間二人は何してたの!?」

そんな俺たちに、真央が聞いてきた。

「え?あぁ…いくつか乗り物乗ったな」

「うん。まあまあ楽しかったよね」

「結構楽しんでるように見えたけど?」

「それなりにね」

俺達の掛け合いに、真央がへぇ…と驚きの声をあげた。

「いつの間に…」

「は?何だよ!?」

「…ううん、何でもない」

真央が首を振り否定すると、ノブちゃんが俺の手元を見て

「それが無料ドリンク?どこでもらえるんだ?」

「あ、あそこのカウンター。…俺もついてくわ」

「サンキュー」

ノブちゃんを連れてカウンターに向かいながら、

「ノブちゃん、頼みがあるんだけど」

俺は小声で頼み事をした。

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