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12cm~越えられない距離~

第5章 ナータマーヤ

「これ、美味しいね!!」

「でしょ!ゼリーの食感もなかなかだよね」

真央と根本さんが盛り上がってるなか、ノブちゃんは一人ふて腐れていた。

「何でそんなに不満そうなんだよ」

「何でって…」

ノブちゃんは俺を軽く睨み、小声で抗議した。

「何が悲しくて男同士で1個の飲み物に2本ストロー突っ込んで分け合ってんだよ」

さっき俺がした頼みの事でまだぶつぶつ言ってる。

「せっかくなら女の子と分け合いたかった…」

「…ノブちゃんに、あーゆー真似が出来るかなぁ」

俺が隣のテーブルに座ってるカップルを視線で示すと、その先をたどったノブちゃんが

「……無理」

「だよな。俺もムリ」

顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。

付き合ってもない女の子と、あーゆー真似が出来るってなかなかハードル高い事だ。

根本さんは全く気にしてない様だったけど…それって俺のこと、意識してないってことになる…よな?

……ま、別にいいんだけどさ。


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