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12cm~越えられない距離~

第6章 後ろから…

「根本ちゃんはなんて呼ばれたい?」

「あ…私は何でも…」

明らかに戸惑ってる。

…あんまりアダ名とかで呼ばれないのかな。

「えーっと、じゃあ、あきらちゃん?」

「やだ。何かちゃん付けって嫌」

あれ?じゃあ今まで『根本ちゃん』って呼ばれてたの、嫌だったのか?

「え?あ、じゃあ…あきらさん?」

ノブちゃんの問いに顔をしかめてる。

見かねたのか、真央が

「アキ、でいいんじゃない?あたしもそう呼んでるし。…ね?」

「うん…そうだね…」

渋々、といった感じで頷いてる。

「アキ…さん?」

「だから!!アキでいいってば」

本当にいいのか?何か怒ってないか!?

「じゃあ…アキって呼びます」

「じゃあ俺も繚でいいよ。根本さんが呼び捨てなら、俺も同じでいいから」

俺が片手あげて言うと、

「え!?だって真央だって繚平くんって呼んでるのに何で私が呼び捨てなのよ!?」

怒ってる?何で?

「えーっと…釣り合い?」

「釣り合わなくてもいいし!!」

俺との掛け合いに、真央がもう、とため息をついた。

「それならあたしも繚って呼ぼうか?」

「そういう問題じゃなくて!!」

じゃあどういう問題なんだよ!?

「分かった。任せるから、好きなように呼んでくれよ」

「うっ…はい…」

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