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12cm~越えられない距離~

第6章 後ろから…

ぎゅっと一瞬抱き締められて、すぐ腕が緩んだ。

驚いて振り向くと、アキがハイタッチしようと手を広げている所で。

至近距離で目が合って、お互い動きが止まる。

え?ハイタッチ!?するのか!?

戸惑ったままアキを見続けると、アキの顔が赤くなった。

「あ…ごめん、ごめんなさい!!」

「え?あ、大丈夫だよ」

「ほんとにごめん!!」

顔の前で手を合わせてひたすら謝ってる。

「部活で後輩に教えてる気になってた。うまくいくとハグするの癖になってて…ごめん!!」

あ、何か納得。

ものすごく自然な流れだったのはそのせいか。

んで振り向いた顔が俺だったからビビった訳ね。納得。

「いいよ。こっちもエースの指導受けれたし、ボールも入ったし」

それにしても。

背の高い人だとは思ってたけど…今のシチュエーションって、絶対男女逆の方が様になるよな…。

三本目のシュートも楽々入れたアキ。

「アキ…は、背、何㎝なん?」

「…174」

俺が162cmだから…12cm差か。

やっぱり男女逆の方がいいような身長差だよな。

「かっこいいなぁ…」

思わず呟いた言葉に、アキがはあ?と聞き返してきた。

「いや…うらやましい、かな?」

「かな、って何で疑問形なのよ」

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