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12cm~越えられない距離~

第7章 球技大会で

真央と他愛のない話をしているうちに、ついに俺の試合の番が来た。

呼ばれてコートに出て、相手を確認した瞬間に確信した。

あ、俺、敗けだな。

テニス部じゃん。

ギャラリーもたくさんいて、皆がテニス部が勝つもんだと期待しているのが分かる。

対して俺の方は…

真央くらいのもんか。期待されてねぇなぁ…。

ジャンケンしてサーブ権を決める。

俺か…。ここで勝負運使い果たした感じだよ。

思わず苦笑いを浮かべた。

ボールを受け取って、試合開始。

俺の放ったサーブは難なく返され、ボールを打ち返すので精一杯。

左右に振られたり、甘く返したボールをボレーでネット際ギリギリに落とされりで、付け入る隙がなかった。

結果…ストレート負け。

予想通りの結果に、悔しいとかの感情も湧いてこない。

コートから戻った俺に、真央が明るく声をかけた。

「繚平くん、お疲れ!」

「ははっ…1ポイントも取れねぇ」

薄笑いを浮かべて言う俺に

「まぁ、それはしょうがないよ。練習量が違うんだから」

あっけらかんとした答えを返し

「でも頑張ってたの、見てて分かったよ!!だから、お疲れさまでした」

と笑ってみせた。

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